酸素供給は、プラント内でも製造できるそうですが、足りない分を隣接するフランスの薬品会社から供給し、プラントから電力を薬品会社に売ってペイしているそうです。日本で建設する場合、この酸素供給をどうするのかがネックになるような感じがしました。
現場見学終了後、担当者からの説明を受け、持ち時間をオーバーするくらいの熱心な討論を行いました。
この施設は、ドイツの電力会社バーデンヴェルク社がカールスルーエ市と20年以上のゴミ処理を契約し、今日本でも注目されているPFIで運営しているそうです。
簡単な概要を説明しますと、廃棄物を焼却するのではなく、再資源化してリサイクルすることを目的としたプロセスです。まずゴミを圧縮し、熱分解炉で処理したものを高温反応炉に装入し、純酸素を吹き込んで溶解します。そして、溶解物からスラグやメタルを再生し、発生するガスを、改質、急冷、精製し清浄な合成ガスとして回収する方式です。
従来の方式では、ゴミを燃焼し、熱回収後の排ガスに含まれるダイオキシンを除去するのに対し、サーモセレクト方式は、ガスを1200℃・2秒以上の高温で処理し急速冷却することによって、ダイオキシンの発生そのものを抑制するという画期的な方式がとられています。
このためダイオキシンの発生量は、厚生省の定める新基準の0.1ngの100分の1に抑えられ、塩化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物の排出量も大幅に低減するシステムだそうです。
この方式では、清浄度の高い燃料ガスに再生するので、施設内で活用する場合でも有害物がほとんど発生せず、処理水も、循環再利用しており、担当者も飲んだことがあると言っておりました。
1600℃〜2000℃の高温処理によって、廃棄物は、燃料ガス、スラグ、メタル、混合塩、最利用水などに再資源化し、ここで再生される合成ガスは、60%以上のエネルギー回収効率があり、ガス発電や工業用燃料、化学原料など幅広く活用できるそうですが、ガスタービンで発電するのが一番効率が高い方法と担当者は力説しておりました。
不燃物の溶融によりスラグとメタルは無害化され、スラグは道路路盤材、アスファルト・コンクリート骨材、メタルは、金属精錬原料、金属水酸化物は金属精錬原料、硫黄は硫黄原料として利用可能という説明でした。
その他の特長としては、通常の一般廃棄物、シュッレッダーダスト、医療廃棄物、下水汚泥などの産業廃棄物にも適用でき放射性廃棄物や爆発性の廃棄物以外は何でも処理できるシステムということでした。
建設スペースも従来の焼却、溶融方式の約7割ですみ、コンパクトなため建設コストも低減出来るようでした。
このプラントでは30tのゴミで25MWの発電量があり、寿命は最低20年で、日本のような水分の多いゴミにも対応可能で水分50%までプロセスに影響はないが、ガスの発生量は減るそうです。
日本でも多くのメーカーが次世代型ゴミ処理技術の開発、受注活動に鎬を削っていますが、今回視察した施設は、ゴミの圧縮、脱ガス工程等他に例をみないユニークなプロセスを含んでおり、あらゆる点から鑑みても本市の次期施設には最適であるという印象をもち、大変参考になる視察でした。